加藤シゲアキ「ピンクとグレー」はアイドルだからこそ書けた傑作だった

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ジャニーズグループNEWSの加藤シゲアキさんの、作家デビュー作。今時のアイドルは小説まで書いちゃうんですよ。

ジャニーズが、アイドルが小説なんて書けるのかよーって、そう思う人も多いとは思うけど。でもそういう人にこそぜひ読んでほしいと思うね。

あらすじ

大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが…。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。

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アイドルだからこそ書けた1冊

アイドルが、って言葉が頭についちゃうのはまぁ仕方ない。あとがきでもジャニーズだから本が出せた、ということは本人も書いてるし。

でも、それをわかってるあたりが確信犯的というか、内容も含めて本当に確信犯的。アイドルが書いたのかと驚くか、アイドルだからこそこれだけのものが書けたのだと納得するか。

ファンの方からすれば、シゲもこんなふうに考えてたのかなぁ……なんて思わせるような作り。ずるいといえばずるい。

そういうところあるけれど、だからこそすごく本としてよくできてる。あとは思っていた以上に上手な文章を書くのでホントに驚いた。芸達者だわ。

今はもうアイドルが小説書いたっていいんだなーって思っちゃいますね。たかがアイドル、なんて思ってる人にこそこの作品は読んでほしいな。

ジャニーズファンと読書ファンをつなぐ一冊

ジャニーズファンを読書に引き込み、読書好きをジャニーズに引き込む。まさにそんな一冊。なんというWin-Win。

読書の門戸を広げた、という面で考えるとこの本の存在にはかなり意義がある気もする。

だってジャニオタってジャニーズ関係の本とか雑誌しか読まないでしょ?(偏見)

ジャニーズファンが読書も好きになってくれるのであればそれは大変喜ばしいことなのですよ。

まぁ偏見は置いておいて。読書の入り口なんてのは人それぞれでいいものだし、だからこそいろんな入口があるといいんだと思うのね。

それに必要な条件はおもしろい本であるということ。この作品はそれを確実に満たしている。だからこの本には、ただおもしろいだけの本以上に存在意義があるんだと思う。

たびたび言ってますが、所詮ジャニーズなんて思っている人にこそ読んでほしい。大事なことなので何度も言っています。

それでは、またーねー。